Culture
【実話怪談】背筋も凍る、本当にあった怖〜い話【らせん階段の男の子】
あ、男の子がいる
窓ガラスには真っ青な空が広がって、眩しすぎる日差しがキラキラ輝いていた。今日もいい天気だなぁ。そんなふうに思いながらぼんやり景色を眺めていると、いつもと違うものが目に入ってきた。窓の前に、ぽつんと男の子が立っている。彼は私と目が合うと、満面の笑みで手を振ってくれた。もちろん私も、ニコッと微笑んで手を振り返した。なんだか感じのいい子だった。
一緒にいた友達は、見えていない・・・
その男の子に、隣にいた友達は知らんぷり。「なんで無視してんの?手、振りなよ」と促すと、「え、なにが?」と、キョトンとした顔で言われてしまった。私はそれ以上なにも言わず、彼からすっと目をそらしてそのまま階段を下り、何事もなかったかのようにドリンクを買った。そして階段を上る時は、窓に視線を向けるのをやめた。
先生、あの子のこと知ってる?
教室に戻って講義を聞いている最中も、ずっと気になって仕方なかった。不思議と怖い気持ちはなくて、帰り際にこの出来事を先生に伝えてみた。すると先生が、そっと教えてくれた。「一週間前にね、あのらせん階段から男の子が落ちて亡くなったの・・・」
取材・文/飯田有希菜