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93歳女性「おしゃれは自分のためよ」おしゃれマダムに学ぶ人生観のメイン画像
andGIRL6月号より
『andGIRL』の読者はきっとみんな、おしゃれが大好き。でもいつまで続くかしら。男から女扱いされない歳になったら、どうでもいい?『andGIRL』の読者はまだ十分若いけれど、当然ながらもう10代じゃない。だから「もっと若ければできるだろうけど、今からじゃ無理」なんて思うことがすでにいくつか出てきてるはず。
でも、それって本当にもう無理なのかしら?こういう質問にどきりとするなら、日に日に若くなくなっていくという事実から目を背けたくなっているなら、この映画を観るべき。
『アドバンスト・スタイル』の起点は、2008年に始まった同名ブログ。当時20代だったアリという男性が、ニューヨークの街で見かけるおしゃれマダムたちに声をかけて写真を撮って、次々とアップした。
そのブログが話題になり、それをまとめた写真集がヒット、そして映画に。アリが街で一目惚れしたファッションのアドバンスト=上級な達人たちは、60歳以上100歳未満。そんなマダム7人が登場するこの映画は、彼女たちのおしゃれっぷりと超チャーミングなキャラクター、ブログや写真集のヒットがよびこんだ夢のようなサクセスをとらえる。
そして、60歳になる前に胸に刻んでおきたい金言が、次々と。そう、おしゃれをとことん楽しみ、通りをランウェイに変えてしまうマダムたちは、ファッションだけでなく人生を楽しむことの上級者でもあるのだ。なんてかっこいい!
「おしゃれは自分のためよ」と胸を張る93歳のイロナは画家で、絵画教室の先生としても現役。お気に入りのつけまつ毛の職人が亡くなってからは、自分の髪を使ってつけまつ毛を自作。しかも色はオレンジ!いつも笑顔で、最高に素敵だ。
いちばん若い62歳のジポラは、「コーディネイトの完成に7年かかったこともある」。それは、お気に入りのドレスに合わせるアクセサリーが見つからなかったから。そうやって完成させた作品=着こなしを披露するため、自転車でマンハッタンを日々駆け回る。
この映画が心地いいのは、アリとその友人である監督が、マダムたちへの敬意に溢れているから。その敬意にふさわしく、マダムたちは、楽しむことが大切だと教えてくれる。おしゃれでも別のことでも方法はなんでもいい、とにかく自分を機嫌良くさせられるのは、他の誰でもない、自分自身なのだから。
※『andGIRL』2015年6月号

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