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【芳麗・女と文化の話】漫画家ひうらさとるが語る〝アラサー干物女子〟の幸せの鍵とは?のメイン画像

Point!早くても遅くても 結婚や出産は〝賭け〟だから

©︎ひうらさとる/講談社

芳麗 蛍は37歳の出産ですが、ひうらさん自身も43歳で出産されています。もともと、子どもを持ちたい願望や計画はあったんですか?

ひうら 一生1人はイメージできませんでしたけど、すごく欲しいとも思ってなかったんです。だから、きちんと知識を持たないまま、あっという間に40歳を過ぎてしまって・・・。

芳麗 ご結婚も41歳のときですよね。

ひうら はい。結婚してから、パートナーとともに考え始めたという感じです。「子どもがいる人生も面白いよね」と話し合って。2度の流産を経験後、ありがたいことに授かって。今は子どもと一緒に生きられてよかったなと心から思いますけど。

芳麗 今、ひうらさんはさらりとお話してくださいましたけど、40代の出産はやはり葛藤も多いし、大変だという話を聞きます。

ひうら もちろん、私も葛藤はありました。まずは、妊娠中に出生前診断をするかどうかとかね。結局、私はしませんでした。主治医に、何歳で出産しようともリスクがないことはないと言われたことや、どんな子どもが生まれても育てていこうと夫婦で話し合ったこともあり、必要ないかなと判断したんです。

芳麗 覚悟を決められたんですね。

ひうら そうですね。結婚もそうですけど、出産もやってみないとわからない。いわば、〝賭け〟ですからね。私の場合、40代でも無事に出産できたのは体が健康だったおかげですし、産後の回復も周囲の協力があってこそ。出産後1ヶ月は、「外に一歩も出るな」と家族に靴を隠されるくらい(笑)、上げ膳据え膳してもらえて。完全に体をいたわれたことも大きかったと思います。それにね、人間、どれだけ大変なこともどんどん忘れていくんですよね(笑)。それは子育てについても同じですけど。

芳麗 ひうらさんの体験談もそうですが、『ホタルノヒカリ BABY』も子育ての大変さ以上に、その面白さが描かれていて希望が持てます。

ひうら 高齢出産やワンオペ育児が大変なのはたしかですけど、全ては通り過ぎていく大変さですから。オムツが外れないことも卒乳することもね。だから大変だけど、貴重ですし。子育ての大変さを伝える発信ははたくさんあるから、私は楽しさを多めに発信できたらいいなと思っています。

Point!アイドルにハマって人生がより楽しく。 〝オタ活〟は婚活にも有効かも(笑)

芳麗 ひうらさんはカルチャーもお好きなんですよね。最後に、アラサー読者にオススメの本や音楽を教えてください。

ひうら 今日の話の流れで言うと、雨宮まみちゃんの『まじめに生きるって損ですか?』。なかなか白黒つけられないこととや、誰かに話したら「そんな些細なこと」って言われるような愚痴も、彼女が優しく聞いてくれているような・・・悩める女子に深く寄り添ってくれる1冊です。

芳麗 雨宮さんは文章でしかお会いしたことがないんですけど、そこにある優しさが深いなと感じます。

ひうら そうなんですよね。この本には彼女の繊細さや優しさとともにチャーミングさも出ているから、ぜひ読んでみてください。

芳麗 それから、ひうらさんといえば、ジャニーズ!KAT-TUNですよね!

ひうら はい。40過ぎてどっぷりハマりました(笑)。KAT-TUN、特に亀梨和也さんの担当です。

芳麗 アイドルにハマる楽しさや喜びは『ホタルノヒカリSP』にも描かれていますよね。読んでいて、すごく素敵だなと。私はオタク経験がないんですけど、人生をより楽しめそうだなって思いました。

ひうら すごく楽しいですよ!私も漫画以外の対象に、初めてこんなにハマりました。しかも、あんなに遠い存在の人たちに。KAT-TUNのパフォーマンスに熱狂したり、動向を見守って、喜んだり、心配したり、オタ仲間と熱く語り合ったり。こんなに真剣に応援しているのに、相手はこちらのことを知らないのもまた良いんですよ。自分たちの自由に妄想を膨らませたり、愛情を注いだりできるから。

芳麗 深い、興味深いです!

ひうら 10代の頃から漫画ばかり描いてきましたけど、オタ活動のおかげで、遅れてきた青春を味わえている感じです。

芳麗 オタ活動もそうですけど、何かや誰かにハマるって、自分らしさを取り戻させるし、人生を輝かせるんだなぁって。

ひうら だから、30より、40より、50代の今が楽しいです。そういえば、うちの夫は、オタ活動も含めて自由に楽しそうに生きている私のことを良いなと思ってくれたようなので(笑)。好きなものにハマって人生楽しむっていうのは、婚活にも有効かもしれません(笑)。

今月のおすすめカルチャー

『ホタルノヒカリBABY』ひうらさとる(著)

干物女だった蛍は紆余曲折を経てブチョーこと高野部長と結婚。37歳という高齢出産も無事に乗り切り、念願の赤ちゃんが誕生してからの物語。相変わらず、マイペースで干物な蛍ときっちりしっかり者の部長の子育てとは?リアルな子育て事情やその楽しさ、面白さもたくさん詰まっている!

芳麗(よしれい)
NHK山形局のキャスターを経て、文筆業に。女性の生き方にまつわるコラムとインタビューを主軸に、本誌のほか、雑誌、WEBなど多くの媒体などで連載・執筆。著作に「3000人にインタビューして気づいた! 相手も、自分も気持ちよく話せる秘訣」(すばる舎)、「LOVEリノベーション」(主婦の友社)など。好きなものは、旅とご飯とカルチャー全般。
https://fafa-yoshirei.com

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