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業界実話怪談。背筋も凍る、本当にあった怖〜い話【ホテルに潜む女性の霊編】のメイン画像

お祝いの席だったのに・・・

これは、Sがまだ中学生だったときの話。その日は、ハデ好きな祖母のために親戚一同がとある温泉地のホテルに集まり、誕生日パーティーが行われていた。集まった親戚の数が多かったこともあり、親族でいくつかの部屋をとって宿泊することに。Sの家族が泊まっていたのは広い和室で、窓際にはテーブルセットが置かれた縁側があり、窓からは美しい海が一望できた。

いつもは元気いっぱいな男の子なのに

親戚の中には、Sの従兄弟にあたるAくんもいた。その当時Aくんはまだ4歳で、おしゃべりが大好きな、ちょっとわんぱくな男の子だった。そのAくんが、S家族が泊まる部屋に遊びに来たのだが、母親の脚の後ろに隠れて出てこない。いつもは走り回って、その後ろを母親が追いかけているくらい元気なのに。宴会場で食事を取った後に、「部屋に遊びにこない?」とAくんを誘ってみたのだが、「イヤ」と断られてしまった。その理由を尋ねたところ・・・

机の下にいるお姉ちゃんが怖いから・・・

Aくん曰く、窓際に置いてあるテーブルの下に、黒い服を着た若い女性が膝を抱えて座っているそうだ。しかし、私たちの親戚には、それに該当するような人はいない。きっとAくんの見間違いか、イタズラでウソを付いていると考え、その時はみんなAくんの話をそれほど真剣に聞いていなかった。

昨日のお姉ちゃん、あの黒い服と同じものを着ていたよ

その翌日、都内に帰る途中にみんなでショッピングモールに立ち寄った。海に近い温泉地のため、ショッピングモール内にあるスポーツショップでは、スキューバーダイビング用のウエットスーツが販売されていた。それを見たAくんが、「昨日のお姉ちゃんが、あの黒い服を着ていたよ」と、ウエットスーツを指差したのだ。その時も、誰もAくんの言うことを信じていなかったため、「そうなんだ」くらいの軽い気持ちで聞き流していた。

Aくんに見えていたのは・・・

その夜、自宅に帰宅してテレビを見ていたところ、スキューバーダイビング中に行方不明になっていた20代の女性が、3日ぶりに遺体となって発見されたというニュースが流れた。発見された場所は、まさにあの客室の窓から見える海だった。Aくんが見たのは、この女性で間違いないと家族一同が思った。

Aくんはその後もしばらくは霊感があったようだが、成長とともにその力はなくなったそうだ。



文/水浦裕美

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