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【芳麗・女と文化の話】結婚、仕事、子育てetc.菅野美穂が語る〝女性が生きること〟とは?
いつも全力だからこそ、 菅野さんは引き寄せる?!
芳麗 菅野さんは、常に今を全力で生きている人だなという印象があります。独身時代は仕事と旅、今は子育て・・・と、その時々のプライオリティがはっきりしていますよね。
菅野 そうですね。独身時代は絶え間なくたくさん仕事したし、結婚当初は家事を楽しんで、1時間半かけて生春巻きとか作ってました(笑)。
芳麗 常にエネルギッシュ(笑)。
菅野 今は子育てが人生の軸ですね。仕事は長らく必死でやってきたから、今、子育てに集中することに迷いが全然ないんだろうな。もちろん、子育てを終えた後の人生も考えているし、昔からのご縁の方にお声がけいただいたら、最大限の自分でお応えしたいなっていうのは思ってますけど。
芳麗 菅野さんのように〝今、やれることをやりきる〟っていうのは、人生を前向き変化させたり、ベストなタイミングで欲しいものを引き寄せるコツなのかなと感じるんです。
菅野 なるほど。
芳麗 たとえば、菅野さんって行動力がすごくある。ある日、撮影でお会いしたとき。撮影前、朝早くから人気のドーナツ屋に並んでスタッフにドーナツを買ってきてくれたことがありましたよね。ドラマ撮影中の忙しい時期だし、顔も知られている人が長い列に並ぶってストレスもあるはずなのに。「食べましょう〜」って笑顔で軽やかに登場(笑)。
菅野 あはは! ひらめいたら行動しちゃうんですよ。撮影にドーナツは必要ないけど、「一緒に食べたい」と思ったら早起きして並んじゃう。たしかに、日々、やりたいことはやりきってきましたね(笑)。
芳麗 だから、ご一緒していて刺激的だし、楽しいんだと思う。長らく菅野さんのお話や人生を定点観測してきましたけど、素敵なミラクルをいろんな場面で感じてきたんですよね。それって、菅野さんが仕事にも人にも人生にも全力なのはもちろん、とても誠実だし、行動的だからなんだろうなと。
恋も仕事も一般論に流されず 自分にとって大事なものを知る
菅野 ありがとうございます(笑)。今の自分にとって大事なものは何かを日頃から考えておくと良いかもしれない。でもね、読者のみなさんも、すでに大きな部分は感覚的に気づいているんですよ。「今は仕事優先」とか「この人はダメ」とか。でも一般論に引きずられて「こうするべきかも」とか頭で考え始めるから、混乱しちゃうのかなと。
芳麗 ああ、ありますよね。
菅野 もっとシンプルに自分に必要なものを意識できたら良いのかなと。あるとき、「これ」というものに出会えたときに、そこに素直に向かって、自分をパッと動かせるかどうかは日々の意識の持ち方次第だから。
芳麗 無駄なことにとらわれないためにも、自分の心を見つめて大切なものをクリアにしておくことですよね。すると直感も働くし、経験値も相まって、「これしかない」っていうのがわかるようになるのかなって。
菅野 そう。
芳麗 ちなみに、私は何事も迷う性格ですけど、結婚するときは、迷わずに「この人!」と思えた人と結婚したから。直感が功を奏したと思っています(笑)。
菅野 決断する上で直感は大切ですよね。でも結婚に関していうと、その先の「よし!」の方が大事かも。
芳麗 ・・・と、言いますと?
菅野 覚悟を持つことかな?!長い人生だし、家族には自分のダメな部分もさらけ出してしまうものだしね(笑)。だからこそ、相手のいいところも悪いことも受け止める覚悟を持てたらいいなと。長生きして後々、「あのときは大変だったね」って言い合える夫婦って素敵だなと。振り返ったとき、苦しかったことも嬉しかったことも穏やかに分かち合えたら、きっとそれはリアルな「幸せ」なのかなと。今の私は思います。
芳麗 ああ、それはとても素敵ですね。私も「この人と歩めてよかった」「この人生を全うできてよかった」と思えるよう生きたいです。その前に、また、菅野さんと会っておしゃべりすることを楽しみにしながら、今を生きます。
菅野 ぜひ!この状況を乗り越えたら、また、一緒にたくさん食べて飲んで話しましょうね(笑)。
今月のおすすめカルチャー
『パーマネント野ばら』
ドラマ「結婚しない」から映画「Dolls」「大奥」まで菅野作品には数多のオススメがありますが、アラサー女子向けに選ぶならコレです。大人の恋心が繊細に描かれている、至極、切なくファンタジックな作品。菅野さんの透明感のある存在感と豊かな演技力が、本作では一層、際立っています。BY芳麗
芳麗(よしれい)
NHK山形局のキャスターを経て、文筆業に。女性の生き方にまつわるコラムとインタビューを主軸に、本誌のほか、雑誌、WEBなど多くの媒体などで連載・執筆。著作に「3000人にインタビューして気づいた! 相手も、自分も気持ちよく話せる秘訣」(すばる舎)、「LOVEリノベーション」(主婦の友社)など。好きなものは、旅とご飯とカルチャー全般。
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