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業界実話怪談。背筋も凍る、本当にあった怖〜い話【深夜のドライブでの出来事編】のメイン画像

彼とのドライブが日課だった

今回は、Sが車の免許をとって間もない21歳の頃の話。当時はまだ学生で、地方にある実家に住んでいた。自宅の周辺は田んぼや畑ばかりで、彼氏とドライブするのが唯一の楽しみだった。特に、夜遅くに家を抜け出し、運転を交代しながら近所をサクッとドライブするのが好きだったという。

深夜のドライブで出会った女性

とある夏の日、いつものように深夜2時に彼とドライブしていた。彼の運転で田んぼの畦道を進むと、2匹のボーダーコリーを連れた女性がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。いかんせん、暗く細い畦道。「危ないから、ゆっくり行ってね~」と言うと、「そうだね」と減速する彼。犬好きのSは、暗闇の中うっすらと見える2匹のボーダーコリーを笑顔で眺めていた。

女性の顔はよく見えないが、とても清楚な装いだった。丸襟、ノースリーブ、膝丈の昔ながらの白いワンピース。体のラインからして、とても華奢なのがわかる。年齢まではわからなかった。「か細い女性なのに、こんな時間にわんちゃん2匹も連れて大変だね」と彼に話しかけるも、返事はない。「あれ?」と思い、彼の方を向くと、ちょうど女性とすれ違う瞬間だった。

すれ違うときに見えた女性の顔は・・・

横を通る女性をふと目で追う。窓越しに会釈しようとしたところ、そこにいた女性の姿に思わずSは目を疑った。・・・首から上がなかったのだ。白いワンピースは確かに見えるのに。

そのことに気づいた瞬間、無意識に目をつむるS。ひと息ついて、振り返り再度確認するも、その女性と2匹の犬は忽然と姿を消していた。

「今いた女性は!?」と彼に声をかけ、車と止めて確認するも、やはりその姿はない。「女性とわんちゃん、幽霊だったのかな・・・」とSが発した一言に対し、彼は顔をしかめ、こう言った。「え、おばあちゃん1人だけだったよね?」と。たしかに顔はなかったものの、Sが見たのは若い女性だった。Sと彼は見えていたものが違ったのだ。

恐怖体験のはずなのに

さらに不思議だったのは、2人とも〝怖い〟という感情がまったくなかった点だ。その日は、念のためすぐに帰宅したが、〝不思議な体験をしたな〟という感想しかないとのこと。

ちなみにSは何度か心霊体験をしたことがあるが、それらは思い出したくもないそう。しかしこの件だけは今でもまったく怖くなく、なぜかふとしたときに思い出すことがあるという。

もしかしたらあの女性は、あのとき暗に何かを伝えたり、助けてくれていたのかもしれない。

文/andGIRL編集部

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