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〝移ろうから美しい人がいる〟【齋藤薫】が考える、大人可愛い女性とは?
そもそも〝大人可愛い〟って? アラサー女子が口をそろえて言う、「キラキラできなくなるのはイヤ!」「 時が 止まった人にはなりたくない!」「イマドキ感、今年っぽさが何より大事!」etc...エレガンスを望むよりも、女子であることを存分に楽しみたい、そんなアラサー女子たちへ。 美容ジャーナリスト・エッセイスト齋藤薫さんの考える〝大人可愛い論〟を伺いました。
Check!大人可愛い女性とは?大人可愛いってなんだろう?
〝女のコ〟と〝大人〟の間に、&ガールという、じつに素敵な時代がある!
〝少女〟と〝女性〟の間・・・。〝女のコ〟と〝大人〟の間・・・。女性にはそんなふうに、立ち位置が曖昧な時期がある。例えば、17歳。少女のあどけなさを残しながらも、すでに女性もたおやかさを持っている。それだけに、少女でも女性でもない、とてもファジーな年齢。でもだからこそとても魅力的に見えたりする。
同じようにアラサーは、まだ〝女のコ〟でも充分通用するするけれど、でも一方でもう充分〝大人〟でもある。まさにそうした、いい意味で不確かで不安定な年齢には、独特の美しさが宿るものなのだ。
揺れてキラキラするドロップ型のイヤリングは、その心許ない印象が儚げで華奢な印象を与えるように。
もちろん儚げだけではない。境界線のない2つの領域を行ったり来たりすることが二重のイメージで存在感を高めることにもなる一方、神秘性にもつながる。そのわからなさが、意外性が、人を惹きつけて離さないという側面もあるのだ。
だからこその、&ガール!移ろうから美しい人たち。ただ重要なのはその使い分け。
仕事のときはきちんと大人、でもオフは女のコに戻ったり、時間を共にする人によって、相手が心地良いように可愛いのパーセンテージを変えたり。
そこは社会のニーズを見極める判断力と思慮深さがどうしても必要なのだ。年齢的には立派な大人。でも今なお、時代の年齢観は目覚ましく変わっていて、アラサーは最も変動が大きい世代。30年前の30歳は100%大人、可愛いを挟み込むスキもなかった。だからこそ、「可愛い」は丁寧に大切に扱うこと。
「大人可愛い」の絶対のコツは、必ずどこかに知性を潜ませること。それがファジーな移ろいを、そっくり魅力に変える約束である。
Profile/齋藤薫
美容ジャーナリスト・エッセイスト
女性誌編集者を経てフリーランスに。数々の女性誌に執筆、連載記事を持ち、講演会や広告、商品開発のアドバイスなど、幅広い分野で活躍中。
モデル/宮田聡子 撮影/遠藤優貴 スタイリング/井関かおり ヘアメイク/NAYA 文/齋藤薫 andGIRL2023年春号より