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【専門家に聞く】妊娠できるチャンスは1周期で3日だけ!今さら聞けない「妊娠の基礎知識」
今までは妊娠について、どちらかというと〝できないように〟と考えがちだったけど、アラサーになったら〝どうしたらできる?〟と考えることが増えるのかも。「妊娠したい!」と思ったときのために、妊娠と不妊治療についての基礎知識をお教えします。
アラサーだから知っておきたい妊娠の基礎知識をおさらい!
学生時代に学んだ妊娠のこと。サボってたわけじゃないけど、記憶はうっすらとしかないし、そもそも実用的な情報だったかは疑問。妊娠を希望する人が知るべき情報だけをおさらい。
教えてくれたのは・・・岡田有香先生
聖路加国際病院にて子宮内膜症や低用量ピルの診断、がん治療前の卵子凍結に携わった後、杉山婦人科で不妊治療を学ぶ。悩みを相談しやすく通いやすい雰囲気の婦人科を作るため、グレイス杉山クリニックSHIBUYAの院長に就任。
【グレイス杉山クリニックSHIBUYA】
電話番号:03-6427-5670
住所:東京都渋谷区渋谷1-23-16 cocoti 5F
HP:https://grace-sugiyama.jp/
共働きによる多忙や晩婚化など、妊娠しづらい時代になっている!
希望してもすぐに妊娠できない人が年々増えてきています。現代社会では男性だけでなく女性もフルタイムで働く人が多く、仕事や家事に追われて時間がなかったり、疲れてしまったりして、性交渉の頻度が減っていることがわかっています。
性交頻度が少ないと、精子の質や運動率が悪くなるうえ、排卵と性交のタイミングが合わなくて、自然妊娠しづらい状況に。また、キャリアを優先することで出産年齢が上がってきていますが、年齢が上がるにつれて妊娠しづらくなるので、このことも一因だと考えられます。
妊娠できるチャンスは1周期でわずか3日だけ!
排卵日に性交をしても妊娠の可能性はあるけど、排卵したときに精子が卵管にいる状態にするほうが確率はアップ。一般的に精子は2~3日生きられるので、排卵日の1~2日前に性交をするのがベスト。精子の生存日数が長い人もいるので絶対じゃないけれど、妊娠の可能性が高まるのは、排卵日前々日から当日の3日間だけ。
基礎体温が低温期と高温期に分かれていれば、ちゃんと排卵をしている証拠。不妊治療でクリニックを受診する前に、2周期分の基礎体温を記録しておくことがおすすめ。
※1周期とは、生理が始まって次の生理が始まるまでの期間のこと
年齢とともに妊娠率は大きく下がり、35歳以上は顕著にダウン
参考資料:M.Sara Rosenthal. The Fertility Sourcebook.Third Edition
40代で出産する人が増えたので、高齢でも簡単に妊娠できると思うかもしれないけれど、残念ながら年齢とともに妊娠率は確実に下がります。右の表からわかるように、20代後半から徐々に下がり、35歳を境に急激にダウン。いくつかの原因が考えられますが、特に卵子の質が悪くなることが関係しているといわれています。
妊娠するまでに体の中ではこんなことが起きている
卵巣から排出された卵子が精子と出会い、子宮の内側にくっつくことで妊娠が成立します。ただ、排卵した卵子は約24時間しか生きられないし、精子が女性の体内で生きられるのも2~3日ほどなので、2つが出会うことは奇跡!奇跡を起こすため、生理期間中に数種類のホルモンが順番に分泌され、その影響で体内ではさまざまな変化が。普段子宮の入り口には細菌の侵入を防ぐため粘液の栓があるけれど、排卵前に取れて精子が通り抜けできるようにしたり、子宮内膜が厚くなって着床しやすいようになったりするのはホルモンのおかげ。このようにして妊娠しやすい状態にしているのです。
1. 成熟した卵子が飛び出す「排卵」
卵巣内で出番待ちをしている原始卵胞という卵子の素のうち、いくつかがホルモンの影響を受けて成熟し始め、最終的に選ばれた1〜2つが卵子として排出されます。
2. 卵子と精子が出会う「受精」
排出された精子は、腟から子宮、卵管を通って頸管膨大部に向かいます。卵巣から排出された卵子と精子が卵管膨大部で出会うことで受精が成立します。
3. 受精卵が子宮内膜にくっつく「着床」
受精した卵子(受精卵)は、子宮に向かって卵管中を移動しながら、細胞分裂を繰り返します。受精から7日目になると、受精卵は子宮内膜に潜り込んで着床。
イラスト/腹肉ツヤ子 構成・文/水浦裕美 ※andGIRL2024年冬号より
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