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【アラサー世代1,300人にアンケート】みんなはどんな不妊治療をしてるの?いま知っておきたい『治療方法や費用』について専門家が解説!のメイン画像

アラサーだから知っておきたい〝不妊治療〟について学ぼう!

妊娠しづらい人だけでなく、最近ではスムーズに妊娠したいという理由で不妊治療を受ける人もいるそう。何かと不安の多い不妊治療について、治療方法や費用について解説します。

教えてくれたのは・・・岡田有香先生

聖路加国際病院にて子宮内膜症や低用量ピルの診断、がん治療前の卵子凍結に携わった後、杉山婦人科で不妊治療を学ぶ。悩みを相談しやすく通いやすい雰囲気の婦人科を作るため、グレイス杉山クリニックSHIBUYAの院長に就任。

【グレイス杉山クリニックSHIBUYA】

電話番号:03-6427-5670
住所:東京都渋谷区渋谷1-23-16
HP:https://grace-sugiyama.jp/

アンケートでわかった!アラサー世代にも不妊の人は増えている

ちょうど結婚&出産適齢期を迎えているアンドガール読者たちに、不妊治療に関するアンケートをとったところ、意外すぎる結果が判明!不妊治療って思った以上に身近なのかも。

※2023年10月27日〜30日の期間、andGIRLのInstagramにてアンケートを実施。n=1372

約3割がすでに出産経験があり。andGIRL読者もママになる人が増えている様子。

出産したことがある人に不妊治療について聞いたところ、13%が経験ありと回答。つまり、10人に1人以上の割合で不妊治療を経験しているってこと。

一番多かったのは、治療の第1ステップであるタイミング法。でも、体外受精が2位にランクインしたうえ、体外受精と顕微授精を合わせて35票もあり、1位のタイミング法に迫る勢い。

卵子と精子を体の外で受精させるタイミング法

費用:1周期5,000円〜 回数:決まりなし

不妊治療の第一歩として行われるのがタイミング法。排卵日を予測し、その日に合わせて性交のタイミングを合わせる治療です。排卵予測検査薬を使えば、クリニックに通わずに自分で行うこともできます。クリニックに通うメリットは、超音波検査や血液検査の結果からより正確に排卵日を予測することができ、妊娠率をより上げることができること。通院回数は月1~2回程度なので、働いていても、そこまで負担なく行えます。排卵していなかったり起こりにくい場合は、排卵を誘発する内服薬や注射をして卵巣を刺激し、排卵を促すこともあります。

これが役立つ!

検査薬に尿を2秒間かけるだけで、尿の中のホルモン量から排卵日を約1日前に予測することできます。

ドゥーテストLHⅡ7回分(第1種医薬品)¥2,970/ロート製薬

良質な精子だけを子宮に戻す人工授精

費用:1周期1万円〜 回数:決まりなし

採取した精子の中から質や運動率がよりよいものだけを集め、排卵日を見計らってチューブで子宮の中に注入する方法です。タイミング法を行っても妊娠が難しかった場合や、精子の運動率や量が少ないケースなどですすめられることが多い方法。子宮の出入り口には異物を体内に入れないようにするバリア機能がありますが、そこを超えたところに注入するため、運動率が低い精子でも妊娠の可能性が高まります。タイミング法と同じく、排卵誘発と組み合わせて行うことも。病院によって異なりますが、人工授精の処置だけなら1回5,000円程度のため、診察料を含めても金銭的負担はそれほどありません。

卵子と精子を体の外で受精させる体外受精

採卵手術で取り出した排卵直前の卵子と質のよい精子をシャーレの中に入れて受精させ、体内と同じような状況で成長させたものを子宮内に戻す方法です。ほとんどの場合、採卵の前に排卵誘発を行い、数個~10個ほどの卵子を採取。採卵は内診台にあお向けに寝た状態で、エコーで観察しながら腟から卵胞を針で刺し、卵胞液と一緒に卵子を吸引します。採卵手術後は、着床しやすい子宮内膜を作るためにホルモン治療が行われます。日本産科婦人科学会の調査によると、日本での体外受精によって生まれる赤ちゃんの数は年々増加する傾向にあるそう。

体外受精にも2種類ある!体外受精と顕微授精の違いとは?

体外受精

費用:15〜20万円 回数:決まりなし

採取できた卵子と精子をすべてシャーレに入れて受精させます。成長した受精卵をそのまま体内に移植することもあるけど、凍結して子宮の状態を整えてから戻す場合も。その際は凍結費用が別途かかります。体内で起こっていることをシャーレの中で行うため、どんなことが原因となって妊娠しづらい状態になっているかを知ることができる場合も。

顕微授精

費用:17〜26万円 回数:決まりなし

体外受精の方法の1つで、極端に精子の数が少なかったり、運動率が悪かったりする場合に行われます。採取した卵子と精子を体外で受精させる点は体外受精と同じですが、顕微授精の場合は、1つの卵子に対して顕微鏡を使いながら1つの精子を注入します。顕微授精には高度な技術が求められるため、どうしても費用が高くなりがち。

不妊治療で保険適用になるのはこんな場合

2022年4月から不妊治療の保険適用範囲が拡大。以前は適用外だった体外受精や顕微授精も、条件を満たせば3割負担で受けられるようになり、金銭的負担が減りました。

適用条件

保険適用になるのは、治療開始時に女性が43歳未満であることが条件で、地方厚生局に届け出をしている医療機関で治療を受ける場合。40歳未満なら1子ごとに通算6回まで、40歳以上43歳未満は1子ごとに通算3回まで適用。

対象者

籍を入れていない事実婚カップルも対象に。クリニックによって提出書類は異なりますが、住民票など、同居を証明できる書類があればOK。

対象となる治療法

タイミング法や検査、排卵誘発、人工授精、体外受精、顕微授精のすべての治療が適用に。体外受精や顕微授精の際に行われるオプション治療は、保険適用されるものと、「先進医療」として保険診療と併用できるものに分けられます。

不妊かも・・・と思う人へ岡田先生からアドバイス

妊活を始めて1年以上たつならクリニックへ

不妊治療というと、いきなり体外受精になってしまうのでは・・・と心配になる人が多いかもしれません。クリニック側は不妊治療に関する客観的なデータなどを提示してアドバイスはしますが、ご希望に合わない治療法を無理にすすめることはありません。それぞれのカップルの治療方針を優先し、どのような方法から始めるのか、1つの治療法を何回行うかは相談ができます。タイミング法を6回以上行うこともできますし、年齢などの背景から早く妊娠したい方は、タイミング法や人工授精を飛ばして、いきなり体外受精から行うことも可能です。もし1年間妊活をしても妊娠できないようなら、迷わずにクリニックに相談してください。

イラスト/腹肉ツヤ子 構成・文/水浦裕美 ※andGIRL2024年冬号より

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