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May J.『アナ雪』主題歌までの苦悩を告白「私は歌手に向いていない」のメイン画像
andGIRL12月号より
コラムニストの芳麗さんが、大人の女性を美しくする“音楽と本”について毎回ゲストと語り合う『andGIRL』の人気連載「芳麗の[本と音楽の話]Café」。
今月のゲストは、11月4日に『May J. sings Disney』を発売したMay J.さんです。デビュー10年目の今だから語れるブレイク前の苦悩をお話しいただきました。
*  *  *
May:辞めたいと思ったことはないけど、歌手に向いていないと思うことはありました。
芳麗:それはいつ頃?
May:3年近く前。2012年の12月頃です(笑)。
芳麗:明確ですね(笑)。まだ、ブレイクしていない頃かな?
May:全然です。時期をはっきり覚えているのも、6枚目のオリジナルアルバムをリリースした後だったから。あの作品は自分で全曲作詞もして、当時の自分のすべてを出し切ったアルバムだったんです。これが届かなかったら、次は何をすればよいのかわからないくらい全力を注いで。それでも結果は出なかった。それどころか、いつも私が行っているCDショップには置いてすらもらえなかったんです。あ、私は歌手に向いていないし、世の中に求められていないんだなって思いました。
芳麗:残酷でシビアな世界。
May:デビューしてから毎回そういう結果でしたけど、それでもがんばろう! と思えていたんです。でも、あのときはそう思えなくなった。すべて出し切っても受け入れてもらえないということは、私には何もないんだって……すごくそう思った。
芳麗:わかります。必死で作ったものの結果が悪いと落ち込みますよね。これだけ歌の才能がある人でもそんな時期があったんですね。
May:でも、そのすぐ後にチャンスがあり、カラオケで点数を競い合うテレビ番組のお話をいただいて!
芳麗:ああっ、それはぐっと来る話ですね。あのカラオケの得点を仕分けするコーナーの、あのすごく歌が巧い子は誰だ!って評判になったのがブレイクのきっかけですもんね。
May:チャンスはいつどこから巡ってくるかわからないですよね。
芳麗:でもプロの歌手として、バラエティとかカラオケで歌うことに抵抗はなかったですか?
May:そんなこと言えるような状況じゃなかったですから(笑)。当時はとにかく目の前のどんなチャンスでもつかもうって。それにカラオケ演奏でもテレビの対戦でも、自分の歌を聴いてもらえることには変わりないと思ったんですよね。歌を機械に採点されるから、高得点を取るには独特のコツや技術がいるんですよ。番組側には高得点を期待されるし、それには応えなきゃならない。でも、私は勝つためだけに歌うのではなく聴いてくれる人に感動してもらいたい。それを両立させて歌えるように、当時はカラオケ店に通い詰めていました。
芳麗:結果、つかみましたよね。
May:いろんな歌番組に出させてもらえるようになって、それでディズニーさんにも存在を知ってもらえて、『アナと雪の女王』の主題歌のお話をいただけたのかなと。
andGIRL12月号より
※『andGIRL』2015年12月号

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