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OFUKU THE MOVIE 第6弾『お福と八福神』
株式会社ハセガワエスティ
OFUKU THE MOVIE 第6弾『お福と八福神』がいよいよ公開となる。過去5作にわたるショートムービーはカンヌ国際映画祭に幾度もノミネートされ、チェルシー映画祭においてはBEST ACTRESS賞まで受賞した話題のシリーズだが、今回はその総集編、オムニバスともいえる長編構成となっているのが特徴的だ。
映画のストーリーは370年以上前の江戸時代から現代日本にタイムスリップしてきたOFUKUが亡き母の面影を求め日本を旅するもの。そこで出会う人々(彼らはたいがい苦境のさなかにいる)に持ち前の「おせっかい」精神を発揮することで彼らが笑顔に溢れる幸せに導かれていく、というお馴染みの展開が基調になっているが、第6弾の本編では愛媛県を舞台にロサンゼルス、サンタモニカへとOFUKUが遠征する。
といっても、交通手段を用いての移動ではなく、一瞬でテレポーテーションしてしまうのがOFUKU流。タイムスリップのみならず、今回は「他人の幸せを」を願う一念で瞬間移動を叶えるまでOFUKUがパワーアップしていると言えそうだ。
見逃せないのは明暦の大火で母と離別した6歳のOFUKUが「おっかさん!」と泣き叫びながら冒頭シーンに登場することだ。いつも、やることなすこと「funny! 」で、本人が真剣になればなるほど、コミカルなズンドコ節が炸裂してしまうOFUKUなのだが、今回はそのOFUKUが抱える哀しみから物語がはじまる。これはおそらく、今回のタイトルである『お福と七福神』と無関係ではないだろう。
七福神信仰は大乗仏教の仁王般若経で説かれる「七難即滅、七福即生」の経文がおめでたい七福神に通じるものとして日本全国に広まったものだ。七難とは、人生で訪れる七種の災いのこととされるが、概ね火難、水難が中心。江戸の火難で母と離別し、それ以来、自分の年齢を忘れるほど長生きしているOFUKUは母が最期に残した「お福早く行きな、生きて、必ず会えるから、必ず」という言葉を頼りにいまなお母を探し続け、生き続けている。
「七難即滅、七福即生」とは、「七難(あまた)の災難はたちまち消滅し、七福(多くの福)に転じる」というものだが、これに「於福(おふく)」が加わる「八福神信仰」が生まれたのが江戸時代中頃と言われている。多くの福は、ありがたいご縁によってもたらされ、運ばれ、そして結ばれる。「縁」はまさしく、「於福(OFUKU)」を象徴するにふさわしい一文字であり、今回の物語はまるでOFUKU自身がすべての縁のはじまり、つまり「縁起」であることの伏線回収にさえ思えてくるから不思議だ。
今回の主人公はプロのサックス奏者として日本に滞在しているデビッド。デビッドの物語もまた、祖母の訃報という災いから始まる。サンタモニカに住む母のキャサリンはデビッドにいますぐ帰国し、家業を継いでほしいと懇願しているが、デビッドは「母の期待に応えられない」と、母から逃げている。逃げつつも、祖母と母を結ぶ「hachifukujin」という名の食べ物を探し求めるため、和食のシェフとなり、さらには日本で結婚し、日本人のお嫁さんを連れて帰国することを一念発起する。
この無謀ともいえる目論見にOFUKUは呆れつつ、それでも全身全霊で応援していく。「大丈夫、絶対!」「願えば、叶うから」を繰り返し、デビッドと併走するOFUKU。
「おっかさん、聞いてね」「おっかさん、そう思うよね」と終始、未だ会えない母に語りかけながら、デビッドの代わりにキャサリンを探すOFUKU自身が、「おっかさん」その人に見えてくる。
思わず笑ってしまうOFUKUのハチャメチャ劇だけでなく、自然豊かな愛媛を舞台に、地元の名産品や工芸、来島海峡、西条のだんじり祭りなどが登場する美しい場面展開も見どころのひとつだ。
監督、脚本、演出を手掛ける阿久津五代子の「一瞬一瞬の美しさを切り取り、絵本をめくるような映画にしたい」という言葉通り、「まるで豪華な絵巻を見ているようだ」と海外からの称賛の声も多い。
阿久津にはユニークなこだわりがほかにもある。それは映画製作において「プロの役者は起用しない」「練習はしない」ことだ。
「キャストもスタッフもほとんどが社内(ハセガワエスティ)の司会者や音響スタッフです。脚本の本読みの練習も台詞合わせもしません。全ては1週間程度の撮影当日に現場に合わせて即興を楽しみながら行います。芝居をしたことのない素人がふとみせる本質を引き出したいからです」
実際、今回の主人公であるデビッド(実名)は実際に日本で活躍するサックスフォーンフレイヤ―であると同時にハセガワエスティの音楽奏者でもある。あくまでもウエディング業界の司会業という本業ありきで映画をつくる。その立ち位置で演者全員が映画という枠組みでできることを最大限楽しんでいるようだ。
また本作は「少子化、インバウンド、国際結婚」をキーワードに経済産業省が公募した「特定生活関連サービスインバウンド 需要創出促進・基盤強化事業費補助金」に応募したところ採用され、見事に補助金を獲得し、制作費に充てたという。
これもOFUKUが運ぶ、ありがたい「ご縁」というほかないが、OFUKUはきっとこういうだろう。
「この福にあやかろうと、この映画を観に足を運ぶ=喜捨する心意気のある人こそ、「8番目の福神です」と。
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OFUKU THE MOVIE 第6弾『お福と八福神』がいよいよ公開となる。過去5作にわたるショートムービーはカンヌ国際映画祭に幾度もノミネートされ、チェルシー映画祭においてはBEST ACTRESS賞まで受賞した話題のシリーズだが、今回はその総集編、オムニバスともいえる長編構成となっているのが特徴的だ。
映画のストーリーは370年以上前の江戸時代から現代日本にタイムスリップしてきたOFUKUが亡き母の面影を求め日本を旅するもの。そこで出会う人々(彼らはたいがい苦境のさなかにいる)に持ち前の「おせっかい」精神を発揮することで彼らが笑顔に溢れる幸せに導かれていく、というお馴染みの展開が基調になっているが、第6弾の本編では愛媛県を舞台にロサンゼルス、サンタモニカへとOFUKUが遠征する。
といっても、交通手段を用いての移動ではなく、一瞬でテレポーテーションしてしまうのがOFUKU流。タイムスリップのみならず、今回は「他人の幸せを」を願う一念で瞬間移動を叶えるまでOFUKUがパワーアップしていると言えそうだ。
見逃せないのは明暦の大火で母と離別した6歳のOFUKUが「おっかさん!」と泣き叫びながら冒頭シーンに登場することだ。いつも、やることなすこと「funny! 」で、本人が真剣になればなるほど、コミカルなズンドコ節が炸裂してしまうOFUKUなのだが、今回はそのOFUKUが抱える哀しみから物語がはじまる。これはおそらく、今回のタイトルである『お福と七福神』と無関係ではないだろう。
七福神信仰は大乗仏教の仁王般若経で説かれる「七難即滅、七福即生」の経文がおめでたい七福神に通じるものとして日本全国に広まったものだ。七難とは、人生で訪れる七種の災いのこととされるが、概ね火難、水難が中心。江戸の火難で母と離別し、それ以来、自分の年齢を忘れるほど長生きしているOFUKUは母が最期に残した「お福早く行きな、生きて、必ず会えるから、必ず」という言葉を頼りにいまなお母を探し続け、生き続けている。
「七難即滅、七福即生」とは、「七難(あまた)の災難はたちまち消滅し、七福(多くの福)に転じる」というものだが、これに「於福(おふく)」が加わる「八福神信仰」が生まれたのが江戸時代中頃と言われている。多くの福は、ありがたいご縁によってもたらされ、運ばれ、そして結ばれる。「縁」はまさしく、「於福(OFUKU)」を象徴するにふさわしい一文字であり、今回の物語はまるでOFUKU自身がすべての縁のはじまり、つまり「縁起」であることの伏線回収にさえ思えてくるから不思議だ。
今回の主人公はプロのサックス奏者として日本に滞在しているデビッド。デビッドの物語もまた、祖母の訃報という災いから始まる。サンタモニカに住む母のキャサリンはデビッドにいますぐ帰国し、家業を継いでほしいと懇願しているが、デビッドは「母の期待に応えられない」と、母から逃げている。逃げつつも、祖母と母を結ぶ「hachifukujin」という名の食べ物を探し求めるため、和食のシェフとなり、さらには日本で結婚し、日本人のお嫁さんを連れて帰国することを一念発起する。
この無謀ともいえる目論見にOFUKUは呆れつつ、それでも全身全霊で応援していく。「大丈夫、絶対!」「願えば、叶うから」を繰り返し、デビッドと併走するOFUKU。
「おっかさん、聞いてね」「おっかさん、そう思うよね」と終始、未だ会えない母に語りかけながら、デビッドの代わりにキャサリンを探すOFUKU自身が、「おっかさん」その人に見えてくる。
思わず笑ってしまうOFUKUのハチャメチャ劇だけでなく、自然豊かな愛媛を舞台に、地元の名産品や工芸、来島海峡、西条のだんじり祭りなどが登場する美しい場面展開も見どころのひとつだ。
監督、脚本、演出を手掛ける阿久津五代子の「一瞬一瞬の美しさを切り取り、絵本をめくるような映画にしたい」という言葉通り、「まるで豪華な絵巻を見ているようだ」と海外からの称賛の声も多い。
阿久津にはユニークなこだわりがほかにもある。それは映画製作において「プロの役者は起用しない」「練習はしない」ことだ。
「キャストもスタッフもほとんどが社内(ハセガワエスティ)の司会者や音響スタッフです。脚本の本読みの練習も台詞合わせもしません。全ては1週間程度の撮影当日に現場に合わせて即興を楽しみながら行います。芝居をしたことのない素人がふとみせる本質を引き出したいからです」
実際、今回の主人公であるデビッド(実名)は実際に日本で活躍するサックスフォーンフレイヤ―であると同時にハセガワエスティの音楽奏者でもある。あくまでもウエディング業界の司会業という本業ありきで映画をつくる。その立ち位置で演者全員が映画という枠組みでできることを最大限楽しんでいるようだ。
また本作は「少子化、インバウンド、国際結婚」をキーワードに経済産業省が公募した「特定生活関連サービスインバウンド 需要創出促進・基盤強化事業費補助金」に応募したところ採用され、見事に補助金を獲得し、制作費に充てたという。
これもOFUKUが運ぶ、ありがたい「ご縁」というほかないが、OFUKUはきっとこういうだろう。
「この福にあやかろうと、この映画を観に足を運ぶ=喜捨する心意気のある人こそ、「8番目の福神です」と。
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